退職のリスクマネジメント(退職後、上司が家にやってきた場合)
■事前に想定される退職後のリスク
現代の企業においては、「上司が退職していった者の家に乗り込んでいく」ということは、あまりないようです。
でも、油断は禁物です。
あなたは、何しろ、「引継ぎもせずに」、「会社の周囲の同僚、上司に迷惑をかけまくって」辞めたのですから、恨みを買って、上司があなたの家に乗り込んでくるということだって、無いことはないのです。
例えば、昔の営業会社なんかだと、営業の辛さに耐えられずに辞めていった社員の家に乗り込んでいくということは、当り前のことだったようです。社員の実家にまで追っかけて行って、会社に連れ戻したなんて話を聞いたことがあります。
それだけ、「会社に入って人間関係が出来る」ということは恐ろしいことなのです。
「明日、会社を辞めようの会」がアドバイスできる最小限のことは、
居留守を使う、これに限ります。
古典的ですが、最も安全かつ合理的な手段です。
あるいは、
友達の家にしばらく居候させてもらう
彼氏(彼女)の家にしばらく泊まりこむ、
そんなところでしょうか。
居留守を使う場合の注意点としては、昼間でも窓を閉め切って、外出するときも常に用心をし続けることです。
一週間くらいたてば、ほとぼりも冷めて、一ヶ月もすれば、会社の社員たちはあなたのことを完全に忘れ去るでしょう。
■同じ会社を3回退職した男
ここからは、余談ですが、私はかつて営業会社に勤務していました。
営業会社というのは、すぐに辞めていく社員がやたらと多いわけです。
まあ、扱っていた商材が住宅のリフォームということもあって(想像はだいたいつくかとは思いますが)、とても厳しい会社でした。
社員の出入りは激しく、入社して一週間で辞めていく社員は大勢いました。
その会社では、社員が辞めると、「あいつ、飛んだな。」と残った社員同士で言っていました。
社員寮があったのですが、社員が辞めて飛ぶと、辞めた社員の部屋がもぬけの殻になっていて、荷物なんかが全部なくなっているわけです。
その会社でも、辞めた社員を追っかけるということは多少はやっていたようです。
中には、一ヶ月間、行方不明で突然、埼玉県のある街で、空き家に住んでいたのを元上司が発見して会社に連れ戻した、なんてこともありました。発見されたときは、ヒゲ伸び放題、髪の毛もモジャモジャで見るも無残な姿だったとのことです。
その男は、「飛ぶ」ことにかけては常習犯で、過去に3回も飛んだ実績がありましたが、最後に飛んだときは、別の営業会社に移って、今は結構楽しく暮らしているみたいです。
退職に対する凄まじいほどの執念を、彼の行動から私は感じ取りました。
※参考サイト 飛び込み営業の世界
■それでもあなたは会社に忠誠を誓いますか?
会社が去って行く社員を引き止めるという行為には、「お前を採用して、一人前になるまで育てるのに、こっちは大金をつぎ込んだんだぞ!」という、会社側からの一方的とも思われる考えがあります。
この会社側のエゴに屈してはいけません。
勤続年数が長い人ほど、濃い人間関係が出来てくるものですが、たまたま会社で一緒になって一定期間働いたということだけで、「人情」が無理やり構築されてしまい、気がついたら逃げも隠れも退職も出来なくなっていた、というケースが大半の勤労者の状態です。
昨今は、雇用の流動化が進み、グローバリゼーションの波に日本ものまれて、やれ「実力主義」だ、「成果給」だなんだと言われております。
そうであるにも関わらず、話が「退職」ということになるといまだに、勤労者は会社からネバネバとして執拗な追求を受けなければならないということは、とても問題です。
■いったん退職を決断したら断固、退職しましょう
退職をするにあたって、未練や迷いといった感情はとても大きな障害になります。
この感情を克服して、とにかく「退職しきる」という強い決意が、最大のリスクマネジメントということになるでしょう。
上司や同僚から引きとめられることで、あなたは「会社から必要とされている」と感じるかもしれません。
「他人から必要とされる」ことで、人間はこの世に存在していられる部分はあります。
だからといって、そこで退職の意思を曲げた場合、資本や、会社側の思うつぼということになります。